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今日午後雪が降ったと思ったら水ッ気があり、
雪というよりもみぞれが降ってきました。
こたつでぬくぬくしつつ、溜めていた録画番組を
途中くらいまでひたすら見ました。

あと明日友達と夜ご飯食べてきます!
あ、あとカラオケも行って来まする!!
諸事情によりカラオケは二人でってことになって
しまいましたが、楽しんできたいと思います。

続きは、それいけ魔王さま!です。
あまり話が面白くないです。つか、魔王様しか
ぶっちゃけ出てないです。
(あれ、いらねえ話かも・・・?)














RPGの勇者周辺の大まかな流れは
勇者が仲間ないしはパーティをくんで
様々な挫折や立ちはだかる敵の屍を乗り越えて
ラスボスのもとへと辿り着きラスボスを倒して終わる。

まあその後の諸々は前言った通りである。
というかね、ラスボス戦の前にHPとかMPとか
全回復させるとかずるいと思うんだけどな。
なに回復しちゃってんだよこのヤロー
つかね、うん、普通ラスボス戦の直前にセーブポイントみたいなのが
RPGなら結構あるけどさ、ねえ?
でも実際だったらありえなくね?
ラスボスだってそんな親切なわけじゃないよ?
親切心からセーブポイントおいちゃうとかどんだけラスボスが
広い心で慈愛深いっていう話になっちゃうでしょ。
というわけでこの世界の理不尽によってラスボスな
一応魔王さまこと私はセーブポイントなんて優しいものはおきません。
つうか事実、セーブポイントって何?なんであんなもんあんの

・・・・あ、ゲームプレイヤーの時間に配慮するためか。




~それいけ魔王さま!~




勇者が現れたと聞き、さらに魔王様の命を狙ってるんだぜ!
っていう冗談にもほどがある事実を告げられた後、魔王こと私は
自室のキングサイズベットの横で皮の鞄の紐をキツく縛った。
歪な蝶々が出来上がる。よし、あとは逃げるだけだ。

ごくりとツバを呑み込み、薄暗い光を差し込ませている窓へと視線をあげた。

そうそう、「なぜ勇者が現れたと聞き以下略」を「トレイターが死んだ後」と
言わないのは勿論私の中で勇者が私に与える恐怖が悲しみよりも大きいからである。

てか別に六大悪魔のトレイターが死んだからって言われても正直あっそって感じだ。
直接話をしたのなんて二言しかないし。私に被害がこなけりゃそれでよい、うん。
そう心中で呟きながら、ベットメイキングされた皺もよっていない上品な赤黒いシーツの上に白い封筒をおく。

まあ、これはなんつうか、一つの保険みたいなものだ。銀にバレた時用みたいな。
上手く逃げ切れたら万々歳、途中で見つかったらさようなら、である。

ゆっくりと立ち上がり前を向いた魔王の意志を孕む瞳を隠すように
ベールが夜の帳がごとくゆれた。



****



こっそりひっそりと鞄をひっさげつつマントの前を留めて部屋から足を踏み出し廊下を歩いていた。
時折すれ違う魔物たちに内心どきどきするが、ここはやはり魔王さまというためか
誰も声をかけずに、ただ頭をさげ私が通り過ぎるのを待っていただけである。
いける、これはいける!!ようやく魔王さま業から足を洗える!!
小さくガッツポーズをし、にやりと口角をあげつつ綺麗に磨かれた大理石をブーツで蹴り上げながら進む。
くり抜かれたアーチ状の窓からは宵闇が広がり、蝋燭が唯一仄かな光を生み出していた。

一人、二人と城勤めの魔物や侍女たちとすれ違う。
向かう先はこの城の庭である。ちなみにこの庭には思い出が沢山つまっている。
昔、ここへとトリップし魔王として即位させられるにあたり
銀達による過激な指導の合間をぬって、
自分がいた世界に思いを馳せ泣きまくったなあ・・・。

当時を思い出し目元に熱さが込み上げたが気がつかないふりをする。
そして、魔王は突き当たりの角を左へ曲がり高大な庭へと出た。
庭は煉瓦や小石が敷き詰められていたり、青々とした芝生で覆われている。
よっと、と段差を飛び越え庭へと続くゴスロリ風のアーチをくぐると、ふいに躰が噎せ返るような甘い香りに包まれた。

鼻から脳へ突き抜けるような匂いに、一瞬、目の前が暗くなったが
足を一歩踏み出し目眩から逃れるように手で瞳を覆った。


「――・・・きっつ。」


目眩に気を取られ、思わず地声で罵りを零し、マズイと思って顔を上げたが、
ありがたいことに周囲に魔物の姿はなく、ほっと息をついたのだが、
がさりと深々としていた草むらがゆれ、思わずやばいと身構えた。
内心だっらだらである。

なんだ、誰だ誰なんだ?最近になって大分魔物たちに慣れてきたが
それでも人間と異なる形相にびびってしまう。
まあ、魔物の中には正直人間よりも美人が多い。
銀曰く、魔物の生存本能がさらに貪欲になった過程においての産物であるらしい。
確かに、顔がよけりゃあ人間なんてコロリだろうよ。
あああ、魔王さま捜索班じゃなけりゃあいいなあ・・・。

そんなことを逃避しながら思っていると、ふと薔薇の葉をはんでいる虫を見つけた。
音がした草むらは何の変化もなく、ほっとしたのか心根が素直に出た。


「・・・虫か。」


よくよくその虫を見てみると、内界の虫らしく、
うねうねとした紫色の躯に赤い斑点がちりばめられていた。
気持ち悪い、はてしなっく気持ち悪い。
おぞぞぞぞと肌がとりたち、身の毛のよだつ身体を抱きすくめた。
この薔薇園だけで一体何匹の虫がいるんだ!?
・・・時々魔女っ子紫が飾ってくれる薔薇ってここの、だよねえ?

視線を滑らせて茂みを注視するとやはりそこかしこにいる。
・・・虫は虫でも互恵関係だったらあれだけど、やっぱり


「害虫は処理しなくてはなるまい。」


じいっと見ていた虫がにょきにょきと動きだし生理的嫌悪感から
視線を外し顔をあげた。この虫達きっと、侍女さんとか魔物庭師に
見つかったら殺虫剤まかれるんだろうなあ。


「一体いつまで生きていられるだろうな・・・?」






まあ、私もそれにあてはまるんだろうけど。とりあえず、さっさと逃げよう。
ふ、と思わず諦めの笑みを浮かべるともう一度がさりと草むらが人知れず揺れ、
その場から1つの気配が消え失せた。

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